「ぱてゼミ描いてみた」

 12/6日曜日、12月最初の休日ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか?このぱてゼミアドベントカレンダー(ぱドカレ)が目指す日の予定はお決まりでしょうか? 私は決まってないです(笑)。

 

自己紹介

 どうもはじめましてBetwind(びとうぃんど)と申します。今年の10月から始まった、ボカロPで音楽評論家の鮎川ぱて(@ayupate)さんによるボーカロイド音楽論ことぱてゼミの10期受講者(10期メイツ)です。好きなボカロPはピノキオピーさん、好きな曲は『ゴーストルール』(DECO*27さん)と『ルマ』(かいりきベアさん)です。

 ツイッターの方では風吹けば蒼詞(かぜふけばあおし)という名前でタイムラインに流されています。なぜツイッター名を言うかというと、今日の記事が私のツイッターでやっていることについてだからです。

 私はツイッターの方で絵を描いています。しかし今主に描いているのは好きな漫画の絵でも、創作キャラの絵でもなく、ぱてゼミの講義タイトルをもとにした絵なのです。(メイツの何人かは知っていますか? 知ってくれていたら嬉しいです。)今回の記事ネタはこの絵についてです。特に呼称とかは決めていませんが、この絵のツイートに続けて講義内容を実況しているので、ここでは便宜上「メモ絵」とします。

 

「ぱてゼミ」とは

 本題に入る前に、ここまでアドベントカレンダーを書いてきたメイツの皆さんもすでに何人かは説明していますが、改めて私の方からもぱてゼミが何かざっくりと説明させていただきます。(まだ完走していないので、受講真っ只中の内部視点(主観)が強いです。ご注意ください。)鮎川ぱてさんが展開するボーカロイド音楽論こと#東大ぱてゼミは主に記号論ジェンダー論、精神分析の観点からボカロ曲を分析していきます。なるべく平易な言葉でその説明は展開されるので敷居は低く、メイツは人文科学やボカロに詳しい人もそうでない人も科類に関係なく、当たり前とされる通念などを改めて考え、「感覚を思考の俎上にあげること」を恐れない人が参加しています。私も履修する前はボカロの曲をたくさん知っている訳ではありませんし、記号論なども履修したこともありませんでした。しかしそれが原因で理解度に差が開くようなことはありませんでした。むしろそこに待ち受けていたのはとても刺激的な講義でした。人文科学の視点からの分析だけでなく、それ以外にも時には曲同士を付き合わせることで見えてくるものがあったり、グループワークによるメイツ間での分析では一人ではとても到達し得ない思考、視点に皆で向かってみたりととても知的噛み応えのある講義でした。その内容の濃さから決して楽単(らくたん)ではないですが、毎回講義時間開始がワクワクするようなとても楽しい講義です。言うなれば「楽単」(たのたん)です。

 今回のアドカレはそんなぱてゼミを受講する中で、感覚を思考の俎上にあげてきたメイツたちが思い思いに記事を書いて紡いでいくのですが、1周目の私も稚拙ながら私の「メモ絵」について感じていることをこの場を借りて綴らせていただきます。

 

メモ絵を始めたきっかけについて

 きっかけは講義タイトルがとても面白そうに思えたから、この一言に尽きます。

 小さい頃から絵を描くのが好きだったので、高校でも休み時間に落書きなどはちょいちょい描いていました。大学入学後からも受験期に全く描かなかった封印を解除し、絵をほぼ週に一度のペースで描いていました。夏休みには少し頻度を落としていたので、Aセメスター(秋学期)になってから気持ちを新たに描いていこうと思っていました。そんな矢先、ぱてゼミの講義タイトルがタイムラインを眺めていた私の目に入りました。

 「ハチ=米津玄師論」

なんだこの面白そうなタイトルは!? 春に9期メイツたちがツイッター実況を楽しんでいたので、ぱてゼミはAセメスターになったら履修しようとは思っていましたが、このタイトルには強く惹かれました。さらにぱてゼミについて自分で調べてみたところ、昨年の駒場祭のページにて

 

 「東大にはなんと、ボカロPが講師を務めるボーカロイドの講義がある! 『東大ぱてゼミ』の通称で知られる人気講義『ボーカロイド音楽論』の講師、鮎川ぱて@しゅわしゅわPと、(ボカロP、絵師、動画師を含む)受講生たちによるチームです。」

(第69回駒場祭 ぱてゼミフェスティバル! 団体紹介よりhttps://www.komabasai.net/69/visitor/search/view/201

 

 …「絵師」です。なんとぱてゼミはボカロ作曲、MV作成だけでなく、絵を表現とする人もいるコミュニティだったのです! もうこうなったらこの面白そうなタイトルを、絵にするしかない! せざるを得ない! いいよね!? …とまぁ創作意欲が収まらなかった私はこうして第1回タイトルを絵にし、続けて第2回以降も感化され続け…現在に至ります(笑)。

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第1回「ハチ=米津玄師論」のメモ絵 衝動的に描いた1枚目なので一番シンプル

 

描いていて思うこと

 このセクションはメモ絵以前から描いてみて思ったことの話になります。

 絵を描き続けているうちに私は、絵って(すぐには)想像だけでは描けないということを痛感させられました。頭の中だけの妄想では必ずパースやサイズのズレ、人の骨格の矛盾などボロが出てしまいます。よく絵が上手い人は、「何も見ずにパパッと描ける人」のことを想像する人が多いですが、実際は「よく観察し、それを描ける人」のことを言います。プロのイラストレーターさんでも実際にポーズ写真を撮って良い構図や服のしわの出来方を調べたり、画像検索を駆使して説得力を持たせたりするそうです。想像だけでパパッと描けるものは意外と少ないらしいです。パパッと描けるのはこれまで十分に観察して、十分に把握したものに限られるのです。だから「何も見ずにパパッと描ける人」は画力だけでなく経験値も豊富な人をいうんですね。今は自分でポーズをとったり、実際に物を見に行ったり、人体のアタリをとったり顔に十字を切ったり… いや〜いつかはパパッと描けるようになりたいですね。(個人的には手を描けるようになりたい。いつも自分の手を写真に撮ってそれをトレースしている人間です(笑)。)

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鏡音リンのポーズは実際に撮ったものであるし、

夜景も実際に見に行ったものを参考にしている(言うて背景上手くないが…)

 

 

いつもどう作っているのか

 まだまだ経験値も画力も足りない私ですが、それを理由に手を抜いたものをメモ絵にはしません。メモ絵は毎週木曜日の昼にアップを目指しています。突発的な第1回目や講義タイトルが変更になった場合を除き、その構想は金曜から週末にかけて頭の中でこねくり回されます。調子がよければ土曜日にラフ、日曜日に線画〜仮塗りと進むんですけど、やばい時は火曜日にやっとラフ線画が出来上がります。正直この構想とラフができるまでが勝負です。私はぱてゼミ1周目にもかかわらずこんなことをしているので、講義タイトルの意図を捉えるのにかなり慎重になります。中にはラフを描いたはいいけどボツにした案もあります。(完走後に供養するかも?)そして放課後や空きコマを使って水曜日夕方から夜にかけて仕上げて、木曜の朝に履修している2限が始まるまでに最終微調整をしています。一気に作らずに、こうして飛び飛びで作ることで、ツイッターで初めてこれを見るひとに良い印象を持ってもらえるかを意識しながら作業を続けられます。

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肩や腕の位置ズレやパーツの書き忘れなんてザラ

時間を置いて見直すことでこれらに気づけて、クオリティアップに繋がる


 

なぜメモ絵を描くか、今一度考えてみた

 このぱてゼミでは通念を疑い、「恋愛」とは何か、「大人」って一体全体何かなどと、「感覚を思考の俎上にあげる」ことを恐れないメイツが集まります。では私も踏み込んでみましょう。そもそもなぜ衝動に駆られたからと言って私はメモ絵を書いているのでしょう? 

 私はこのメモ絵を通じて「思考を感覚に落とし込む」という真逆のことをやっているのだと思います。絵に関しては美術部にも入ったことのない素人なので専門的、学術的なことは何も言えませんが、絵は自分が世界をどのように見ているかを意識しなくとも反映していると思います。(少なくとも自分の観察力に描ける限界は左右されます。)タイトルを見て私は「どんな講義になるのかな?楽しみだなぁ」とタイトルから連想されるキーワードを検索します。

 そこから得た情報をもとにイメージを作るのですが、もし私以外の人がイメージを作ったらそれは当然違うものになります。その人にはその人だけに映る世界があるからです。しかし私はタイトルから思わず連想したり、妄想したりするほどのこの講義の魅力をどうにかして共有したいと思ってしまいます。感覚を共有するには本来なら言葉で伝えます。しかし言語を介してしまうと、確かにみんなにわかってもらえるんですけど、それは言語化するという思考過程を踏んでしまう…! このワクワクをより純度が高いままに届けたい! そこには言葉もいらない! だから私はタイトルから考えた「思考を感覚に落とし込む」絵、私のワクワクするこの気持ちを素直に投影してくれる絵を描くのです。

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フロイトを調べているうちに、自由連想法のイメージが湧いたので連想するものを取り入れた フロイト自由連想法を思いつく人はもちろんいるだろうが、全員がこういうイメージ、感覚にはならないだろう



 

しまいに

 このメモ絵について、長々と自分語りをしてきました。うーん…、拙い、記事も絵も(笑)。

 たまに自分で問いたくなる時があります。メモ絵を続けて何になる? 「貴重な時間をこんなに割いて、進振りを棒に振っているじゃないか! 」とか、「いいねやリツイートがついても自己満足に過ぎないのだから、本気になるとか馬鹿じゃないの? 」とか自分に突っ込まれることもあります。でも今はこれを途中で放棄しようとは思いません。このメモ絵は私のやりたいことですから。これをやらない手はないです。どこかで聞いたことがあるんですが、やりたいことってやるべきことを優先しすぎるとできなくなるらしいです。「エネルギーを費やしたい! 」と思っていることがあったらなら、私はそれを時間を前借りしてでもやりたいです。ぱてゼミは今期は全15回、12/6現在10回目までが終わりました。残り5回を描き切った時自分がどうなっているかはわかりませんが、「やらずに後悔よりも、やって後悔」が私のモットーです。残りの5回も全力で楽しんで描いていきますし、ぱてゼミも楽しませていただきます! 

 以上、12/6のぱドカレはBetwindがお送りいたしました。ここまで読んでいただきありがとうございました!

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第10回のメモ絵 このミクのように全力でワクワクを止めずに完走を目指したい